
普通のバスや電車の利用が困難な方を対象に、車を使って外出の支援を行うサービスです。「移送サービス」「送迎サービス」などと呼ばれることもあります。利用者の自宅と目的地の間の送迎を車で行います。運転だけではなく、車の乗り降りの介助などを組み合わせてサービスが提供されるのが特徴です。
市民団体や社会福祉協議会等の非営利団体による移動サービスの多くは、利用登録した会員を対象にボランティアがサービス提供しています。
例えば、介助をどこまで行うかを見てみると、自宅等の出発地の戸口から病院や施設等の目的地の戸口まで、運転+乗降介助という“ドア・ツー・ドア”の基本的なサービスを範囲とするところもあれば、自宅内のベッドから車椅子への移乗介助や目的地の中の介助を提供する“ベッド・ツー・ベッド”まで行うところもあり、更に階段を昇降する介助を組み合わせて提供するところもあります。
移動サービスが行う介助の範囲や利用目的等を定めた厳格な定義はありませんので、サービス提供者がそれぞれの特色を活かして、サービスの提供範囲、対象とする利用者、利用目的、利用者の金銭的な負担等を自主的に決め、多様なサービスを提供しています。
団体によって異なりますが、一例として次のような流れでサービスが提供されます。
NPOなど非営利の市民団体や社会福祉協議会等のほかに、介護サービスを行なっている社会福祉法人や医療法人などがあります。実施団体の数は、全国に2,000とも3,000とも言われています。
非営利の移動サービスの料金は、タクシー運賃の1/2程度とされています。「時間制」「距離制」「定額制」などがあり、車庫から料金がかかる団体もあれば、乗車から降車の間だけ料金が係る団体もあります。送迎の利用料金以外に、「介助料」や「待機料」などを設定している団体もあります。これらの違いは、車両の種類や活動エリアの地理条件、サービス内容、自治体等の補助金の有無などによって生じるものです。
また、基本的に会員向けのサービスなので、「会員登録料」や「年会費」を設定している団体もあります。
福祉タクシー券が利用できる団体もありますので、個別にご相談下さい。
道路運送法は道路運送事業について定めた法律です。有償で旅客を輸送する事業を行う場合は国土交通大臣の許可を得ることとなっており、自家用自動車(白ナンバー)による有償運送を禁止しています。非営利の移動サービスといえども有償の旅客輸送事業とみなされ道路運送法に抵触する恐れがありましたが、これまでは非営利移動サービスの必要性から黙認されていました。
2004年3月、国土交通省は道路運送法の例外規定を使って、国土交通大臣による許可の基準(=通称ガイドライン”)を出し、NPO等によるボランティア輸送としての有償運送(=福祉有償運送)について、具体的な解釈を示しました。ガイドラインが示されたことによって、NPO等は一定の手続き及び条件のもとに、自治体が主宰する運営協議会の協議を経て、許可を取得してサービスを実施することになりました。2006年10月には、道路運送法が改正され「登録制度」として法的に位置づけられたため、今後は新たな基準で手続きを進めて行くことになりました。この基準や手続きが複雑なために、活動に支障の出る団体が出始めています。